今回も『あの頃のJ-POP情報局』をご覧いただきありがとうございます。さて今回も、あの頃の・・・と呼ぶにはふさわしくないアーティストの方ですが。
サカナクションのお話です。『あの頃の』がふさわしくないと書きましたが、実はバンドデビューから18年を数えるベテランの域の方々です。
2012年のテレビドラマの主題歌の『僕と花』や、2015年に大ヒットした『新宝島』から知る事になった方も多いと思いますが、この不思議なネーミングと、ちょっと1970年代のテイストを感じるサカナクションの事をリサーチしてみます。
サカナクション出身地。5人のメンバー、4人は北海道出身!
先ずは、サカナクションのメンバーは?(年齢は全て2025年11月末のモノです。)
★山口一郎(やまぐち いちろう)さんは北海道小樽市のご出身、1980年9月8日生れですから今年45歳です。身長は168㎝です。自身の事を『イックン』と呼んだりします。
ボーカル、ギターを務め、サカナクションの作詞作曲の殆どを担ってます。
★岩寺 基晴(いわでら もとはる)さん、1981年3月11日生れ北海道札幌市出身の44歳です。
ギター・コーラスを担当しています。ご結婚されていて、『モッチ』と呼ばれています。
★草刈 愛美(くさかり あみ)さん、1980年4月30日生れの45歳。東京都出身です。ベース・コーラス担当をしていて、お子さんがいらっしゃいます。愛称は「姐さん」と呼ばれてます。
山口一郎さんとは半年程度の誕生日の違いですが、年長者です。
★岡崎 英美(おかざき えみ)さんは、1983年10月5日生れ、42歳です。北海道小樽市の出身。
キーボード・コーラスを担当しています。
みんなからは「ザキオカ」とか「ザッキー」なんて呼ばれています。
★江島 啓一(えじま けいいち)さん、も北海道札幌市のご出身。1981年7月8日生れの44歳です。ドラムの担当しております。愛称は「エジー」。
サカナクションに加入する前は「刀狩り」というバンドにおりました。
結成から20年メンバーチェンジもなく、続いているのはすごいですね。
サカナクション出身地。山口一郎の実家やご両親、父は市議会議員
山口一郎さんのご実家は、小樽で『メリーゴーランド』と言う喫茶店を営んでおりました。お店の中では、年中フォークソングが流れ、そんな中で、山口一郎さんは育ちます。
山口一郎さんの父は、山口保さんと言い、1947年、岐阜県金山町(現・下呂市)のお生まれの方です。
学生運動が激しい時代の立命館大学法学部を中退した後、京都の日仏学院で学び、アルバイトで溜めたお金で、ヨーロッパに渡り3年ほど過ごし、小樽に移住します。
ヨーロッパでは木工を学び、喫茶店はのちに、木工品のアトリエとなっています。
1978年当時、小樽運河が徐々に埋め立てられてゆく状況を見て、小樽運河で音楽イベント「ポートフェスティバル」を開催して2日間で約10万人を集客します。
インターネットが全くない時代に、10万人はすごい数字です。
このイベントがきっかけとなり、行政も地域の人達も、運河が大切な資産だと気が付き、町が、運河を大切に守る方にシフトして行きます。
その後、小樽市議会議員になり三期務めるなど、小樽に歴史の大切を気付かせ、新しさを持ち込んだ方です。
一方、喫茶店では友部正人さんをはじめとするフォークソングのシンガーソングライターの方が時折ライブを行っていたそうで、山口一郎さんは、幼少の頃からフォークソングを聴いていたそうです。
山口一郎さんが、始めてギターで弾けるようになった曲は伊勢正三さんの『なごり雪』でした。サカナクションの音楽の根底にフォークソングの持つ味わいの様なものを感じます。
サカナクション出身。高校の同級生で始めたバンド。名前の由来は?
1998年に、山口一郎さんは札幌第一高等学校で同級生の岩寺基晴さんと出会い、友人と4人で『ダッチマンtheサンコンズ』(のちにダッチマンに改名)と言うバンドを結成します。
多少の紆余曲折があり、結局一人になった山口一郎さんでしたが、2005年に再び岩寺基晴さんがダッチマンに戻ってきたのを機にバンド名を『サカナクション』に改名します。
サカナクションと言う名前は、バンド名に使われ難いだろう『サカナ』という単語と「アクション」を組み合わせたものだそうです。
元々小樽の海でよく釣りをしていたと言うかなりの釣り好きな山口一郎さん。そんな事も影響しているのかと想像してしまいます。
その後、山口一郎さんと同じレコード店(HMV小樽店)でアルバイトをした岡崎英美さん。音楽仲間だった草刈愛美さん。
知人の紹介で知り合った江島敬一さんの5人で活動を始め北海道のフェスに参加後、2007年に1stアルバム『GO TO THE FUTURE』でメジャーデビューします。
2010年には、武道館ライブを成功させ、2013年には「第64回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たします。
紅白の前に、サカナクションは、学習塾のCMソングと『ジャッジ』と言う映画主題歌の制作を手掛けていました。
しかし、山口一郎さんとキーボードの岡崎英美さんは、二人とも精神的なバランスを崩してしまいます。
山口一郎さんは自分たちのペースとは裏腹にどんどん舞い込む仕事と、自分たちのやりたい音楽のギャップの中で、作業を続ける中、CMソングや映画主題歌と全く別な曲が思い浮かんでしまいます。
その曲が『グッドバイ』と言う曲でした。どうしてもこの曲を先に発売しないとサカナクションがサカナクションでなくなりそうな気がしたそうです。
事務所やレコード会社と協議し、異例のタイアップ無しでの両A面の9枚目のシングル『グッドバイ/ユリイカ』がようやく発売されますが、2013年のこの時期は山口一郎さんには過酷な時期だったようです。
その後、2015年9月30日、11枚目のシングル『新宝島』をリリースすると映画『バクマン』主題歌として起用され、スマッシュヒットとなり、更に幅広い層に知られる事となります。
サカナクション出身地。うつを患う山口一郎。NHK紅白に向けて!
そんな風に身を削りながら、ステップアップしてきたサカナクションでしたが、山口一郎さんに関しては、彼女や結婚などが気になる方も多いようです。
しかし、女性の友人はいらっしゃるようですが、山口一郎さん本人は、自身を結婚に向かないと思っておられるようです。
過去には、サカナクションで長年ヘアメイクを担当してる根本亜沙美さんと言う方と、腕を組んでいる写真をスタッフがSNSに載せていたり、
一緒にいるところを目撃されたりしていましたが、どうも友人の域を出ないようです。
愛煙家で、禁煙を止めたとたんに、『宝島』が書けたなんて事もあったようで、制作過程では、パソコンの前で突っ伏して寝ている事も多いのだとか?
又、目の前の気になるものを無くすなんて発言もあり、ミニマムで多少潔癖症である事も想像できますし、そうなると、他人や、まして子供と暮らすにはハードルが高いと想像できます。
山口一郎さんは、極度の片頭痛が起こる群発性頭痛と言う持病を患っていることを2020年に公表しています。
2022年には、倦怠感が酷くなり、医師より休養が必要だと診断され、サカナクションは一時活動を休止します。
その後、山口一郎さんは2024年1月7日、YouTubeにてドキュメンタリー動画が投稿され、うつ病であることと、その後、音楽活動の再開を公表します。
2024年10月5日より放送開始されたアニメ『チ。 ―地球の運動について―』(NHK総合)オープニングテーマに起用された『怪獣』はサカナクションとしては3年振りの新曲となり
オリコン週間デジタルシングルランキングにて、サカナクション初となる1位を獲得し、11月にはストリーミングの累計再生数が2億回を越えています。
そして、12年振り2回目の紅白出場(第76回NHK紅白歌合戦)が決定すると、山口一郎さんはご自身の『X』で
山口 一郎
@SAKANAICHIRO
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11月14日
こんにちは。
僕たち私たちサカナクションは、今年、久しぶりに紅白歌合戦に出演します。長い間、迷いながらも泳ぎ続ける僕らを見つめ、手を振り、声を届けてくれた皆様のおかげで、サカナクションは2025年も音楽の海の底を迷わず進むことができています。本当にありがとうございます。実を言えば、紅白への出演は、最後の最後まで迷っていました。
病と共に歩きながら作り出した自分達の曲が、テレビの世界でどこまで伝わるのか、その不安は、ずっと心の奥に残っていました。けれど、あの時生まれた言葉や音が、YouTubeの生配信、SNS、そして送っていただいた沢山の手紙によって、誰かの夜に届き、自分と同じように病気や様々な理由で苦しんでいる方々の力になっているという実感を得た事で、迷いは少しずつ溶けていきました。そして、バンドが18年という月日を重ねても、5人で見る景色がまだ新しく、変わらないまま変わり続けられるという自信。
その積み重ねが、出演を決める決定的な理由になりました。僕個人としては、山の尾根の上を歩くように、上がったり下がったり揺れ動いてきたここ数年の葛藤を噛み締め、支えてくれた方々一人ひとりを想像し、祈りを込めて歌いたいと思っています。
どうか、今年の大晦日は宜しくお願い致します。
出典:2025年11月14日 山口一郎『X』より全文
そんな風に、山口一郎さんは自分自身の事を俯瞰で語っておられます。今年の紅白やっぱり見ちゃいますよね。
いかがだったでしょうか?
18年目のサカナクションのメンバーの出身や年齢、ボーカルの山口一郎さんがうつ病を乗り越えて、満身創痍ながら前向きに音楽を届ける今の姿にスポットを当ててみました。

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